アカメのエサ(泳がせ)釣り

アカメのエサ(泳がせ)釣りについて

はじめに
時折、無謀な道具でアカメを狙って泳がせ釣りをしている方も見掛けますが、アカメという魚は最大で150cm50kg以上にもなります。生半可な気持ちで釣り上げれるサイズの魚ではありません。その最大サイズが突如くる事も十分にあり得ます。釣り人ならば数少ないチャンスで奇跡的に食わせた大物をバラすことは最もショックな事ではないでしょうか。バランスの取れた道具しっかりした準備が必要になってきます。

今回は私流、一般成人男性向け道具選びについて話させていただきたいと思います。

※ゼロから本格的にアカメを泳がせで狙う場合、ある程度の初期投資と勉強が必要になる事をご理解下さい。

ルアーで狙う方にも参考なになればと、ドラグ設定については少し詳しく話させて頂きます。

アカメ釣りの最大の魅力はやはり、ショアから40キロに迫る大きな魚が釣り上げれる事だと思います。経験や知識の無いまま始めるよりも多少の知識があった方が良いと思い、前回に続き投稿させていただきますので前回の投稿をご覧になられてない方は是非、合わせ見て頂きたいと思います。
ご参考になれば幸いです。

釣針について

沢山の方から話しのありました、釣針の話しから始めたいと思います。

エサ釣りの場合、針選びを失敗するとアカメの命に関わると考えています。
通常の釣針は、その形状から何処にでも掛かってしまいます。食道やエラなど、致命的な部位に掛かる恐れが非常に高いと思い、使ってみたのがネムリバリと呼ばれる針先が内側を向いた針です。
これは元々、歯の鋭い魚を釣る為に出来た針で、飲み込まれてもかなり高い確率で口元を捉える事が出来ます。非常に良く出来た針だと思っています。
針は各メーカーから出ていますので、ネムリ針やムツ針、ウルワ針(ウルア)、最近はマグロ用の針もネムリ系になっている物もありますのでウェブ検索または、お近くの釣り具屋さんで見てみて下さい。使うエサにもよりますが、オススメのサイズは25〜35号です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、高知県には世界最古の釣針メーカーが現存しています。私はこのメーカーのウルワ針の35号40号を使っています。手打の針で、一本一本に個性があって気に入っています。

ハリスについて

 ハリスはエサの大きさで決めています。
アカメの口はヤスリ状になっていますのであまり細いと切られてしまします。私は100lbから180lbを状況で使い分けていますが1番出番が多いのは150lb(約50号)です。ハリスが太いから食いが悪いと言う事はないです。
時々、ワイヤーを使っているのを見かけますがアカメに対してワイヤーハリスは必要ないと考えています。ナイロン150lbハリスを使い回して20kgを超えるアカメを何匹か釣りましたが、問題無く釣ることが出来ているので周りの仲間にもオススメしています。

メインラインの話

 対象の魚が最大で150cm50kgと仮定して考えていますので、それに見合ったメインライン(道糸)50lb(約24kg)の強度を持ったラインを使う事になります。
※50kgの魚に対して強度24kgのラインで大丈夫なのか、疑問に思う方もいるかもしれませんが、最後まで読んで頂けると理解して頂けると思います。
また、ハリスの話しでも出ましたがlb(ポンド)と言うラインの強度の単位で話させていただきます。号数ではメーカーや素材により強度に誤差があるので基本的に号数での言い回しはしていません。
話を戻しまして、ラインの強度ですが、50lb(24kg)クラスのライン場合、安全に不安なく使えるのは1/3(8kg)〜1/4(6kg)負荷程度です。
表示に50lb(24kg)と書いているから、そこまで大丈夫と思うかもしれませんが、これは新品で結目のない状態でテストした結果の数字が多いです。
紫外線や湿気、ガイドによるスレ、ねじれ、結束する事によって強度は数値以下になります。
また、ナイロン、フロロ、PEなど色々と素材があり、それぞれに特長もあるので、用途に合わせて使っていますが、主にメインラインに使っているのはナイロンラインです。結束部の強度が1番安定している様に思いますし、瞬間的な負荷に強くリーズナブルです。
私は魚が釣れなくても釣行の度に傷みやすい先端の5m〜10mほどをカットし可能な限り強度の維持を心がけています。
参考までにですが、ナイロン50lbラインはメーカーやシリーズによりますが、12号〜14号程度になっています。

結束

 メインラインとハリス、針の話しが出たのでのここで、結束の話をします。

ライン同士の結束はヨリモドシ(スナップスイベル)を使ってメインラインは60cmほどダブルライン(ダブルラインを使う理由は結束強度の低下を防ぐ為です)にしてヨリモドシを付けています。直結しても良いのですがエサ釣りの場合、エサの魚が泳いでいるうちにどんどん糸がヨレて強度低下につながるので強度の高いベアリング入りのヨリモドシを使っています。選びかたとしてはメインラインの強度の約2〜3倍の強度を持ったヨリモドシが良いと思います。
針は基本的に鐶付なので、鐶へ通すハリスの方向を間違えないよう気をつけて内側から外側に通し、本結びと呼ばれる方法でくくっています。端は8の字結びで輪を作りヨリモドシにハリスをつけています。(本結び、8の字結びともに簡単で強度が安定しています)ハリスの長さは1尋(150cm)を中心の状況によって長くしたり短くしたりしています。
仕掛けはシンプルで結目の少ない方が良いです。

リールについて

 その50lbのメインラインを150m〜200m程度巻けるリールを選ぶのですが、50lbクラスのライン性能をフルに活かす為には国内メーカーのドラグ負荷16kg以上の大型スピニングリールの中級〜上級モデルもしくは、中型以上のコンベンショナルリール(両軸)が良いと思います。私は使い勝手の良いコンベンショナルリール(両軸)をメインに使ってます。
少し重たいですが、強度、ラインキャパ、ドラグ性能、パワー、全く問題無いですし何と言ってもドラグ設定のし易さが1番の魅力で仲間には勧めています。
(ドラグとはリールの設定した以上の力がかかった場合にラインを出す為に付いている機能です。)
※リールのスペック表にドラグ力と書かれた項目がありますが、実用的に使える負荷は数値の半分くらいが目安です。某メーカーの10万越えの高級リールは別物ですが…
海外メーカーのモデルなら丈夫でリーズナブルなリールもあります。

竿について

 既製品にアカメ専用の泳がせ竿はありませんので基本的に流用になります。
お金に余裕のある方は仕立竿(オーダーメイド)という道もあります。
竿は同じ硬さ(強さ)なら短いほど力が入りやすく取り回しも良いのでファイトしやすいです。
スピニングリールの場合は、10ft(3m)前後までの粘りのある、最大10kg程度の負荷に対応したルアー用の竿が手頃で使いやすいと思います。
※ショアジギング用のハードなガチガチの竿は上級者向きで使いこなすのは難しいです。
コンベンショナルリール(両軸)の場合は船釣りの青物用などが使いやすいと思います。

その他にも長めの竿でも大丈夫な方は、磯釣りで使う遠投用の5号以上の竿やGTやタマンのエサ釣り用の竿、石鯛用の竿などがアカメ釣りに使えます。九絵竿は強すぎて使いにくいです。また、お金に余裕のある方はアカメ専用に特注の竿を仕立ててもらうのも良いかと思います。
私は、長竿が好みなので約14ftの16kg負荷対応と8kg負荷対応の2本を使っています。

ここで最初に言っていましたドラグ設定の話しをしたいと思います。

ドラグ設定は実際に竿とリールをセットして全てのガイドにラインを通した状態でバネ秤を使って、竿のフロントグリップからエンド部分を地面に対して45°前後の角度で行います。1人では困難な作業です。
45°前後が竿の元の方に負荷が掛かり保持しやすい角度になりますが、竿の特長によって変わってきますので注意が必要な部分です。また、周囲の安全を確認して不意のラインブレイクや竿の破損に十分気を付けて行います。
ここまで話したメインライン、リール、竿のバランスの良いドラグ設定最大値は8kg程度になります。8kgと聞くとたいした事なさそうに思いますが、ドラグ設定8kgと言うのはそこそこ力が必要で長時間キープするのは辛いかもしれません。
(30kgまでのアカメならばドラグ設定6kg程度で主導権を握ったままファイト出来ます。)魚の種類や状態でバラツキはありますが、対象魚の重さに対して1/3〜1/5程度の負荷で効率良く取り込めています。
ポイントになるのは釣り人と道具の安全マージンです。人も道具もある程度の余裕があった方が魚に対して断然有利ですし何より安全です。最初は最大5〜6kg負荷の設定をオススメします。
ココでドラグ負荷のイメージに便利で単純な計算をしてみます。
仮に長さ2000mmの棒の先に5kgのオモリを付け、先端から1500mmのところを支点とした場合、反対側には15kgの負荷がかかる計算になります。この15kgにオモリ分の5kgを足した20kgが棒を持って支える為に必要な力量です。(先端にオモリ8kgの場合は32kgです)竿とリールの自重もあれば竿はしなるので、こんな計算では全く答えになら無いのですが、難しい計算の苦手な私はこれを元にドラグ負荷の設定をしています。
50lb(24kg)ライン、ドラグ設定8kg、たくさんの安全マージンを取って最大50kgのアカメを狙う私なりの理論です。(ただのテコの原理です。)
この計算がメインラインから竿、リールを選ぶ時の根拠になり、私のゲームフィッシングを楽しむ上での重要なポイントのひとつです。
50lbのメインラインの限界値の半分の25lb(12kg)の負荷を想像してみて下さい。
私の出来損ないの計算方法では48kgも手元に負荷が掛かってしまいます。
竿、リール、人間の限界が先に訪れます。

危険な場合は無理せず魚からリールまでを一直線にしてタオルなどでリールのスプールを押さえ、ラインブレイクさせましょう。せっかくの楽しみで事故がおきては本末顛倒です。
50lbラインはそこそこ簡単にラインブレイク出来る限界でもあるので、これ以上のサイズはオススメしません。
釣針は、魚自ら高い確率で外します。また、とある大学の研究では、いずれ錆びて排出されるという結果も出ているようです。

最後になりますが、アカメのエサ釣りは、エサとなる魚の確保が1番の難関です。エサとなる魚は現場で確保するのが良いですが、非常に難しい時もあります。
色々と自分で考える事も釣りの楽しさであり醍醐味です。エサとなる魚の釣り方については釣り雑誌や単行本、ウェブ上に沢山載っていますので、ここでの発言は控えさせていただきたいと思います。

またまた長くなってしまいましたが、私流の道具の選び方について、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

良き釣り、良き出会い、良き思い出をお祈りいたします

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